IC降りてぶらっと3時間周遊&ちょい寄りグルメ Vol.01
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八高線9世界遺産の構成資産である高山社跡にゆかりの深い施設が、埼玉県本庄市にある競進社模範蚕室。高山社を開いた高山長五郎の実弟で武州新宿村(現、埼玉県神川町新宿)の木村家の養子となった木村九蔵は、兄と情報交換をしながら養蚕技術を磨き上げていき、炭火と換気によって蚕室の温度・湿度を調節する「一派温暖育」という養蚕法を確立。兄、高山長五郎の「清温育」とともに、日本各地の飼育に適応できる養蚕法として全国に広がった。九蔵は1877年(明治10年)、児玉郡新宿村で若者たちと養蚕改良競進組を結成、のちに事務所と伝習所を設置して、高山社同様、養蚕を担う農家を指導する教育機関となった。所内に建設、この蚕室は後に「模範蚕室」と呼ばれるようになり、現在も往時の姿のまま残されている。九蔵は養蚕の発展には教育が重要と考え、1897年には伝習所を「競進社蚕業講究所」とし、さらに学制の改正により、「競進社蚕業学校」と改めた。部では室温を調整するための炉や通風を考えた部屋の仕切りや天井の構造などを間近に観察することができる。1894年(明治27年)には自ら設計した蚕室を競進社伝習現存する蚕室の建屋は4基の櫓がついた美しい外観で、内ぶらっと3時間周遊&ちょい寄りグルメ〈本庄児玉IC〉雉ヶ岡城跡児玉駅塙保己一記念館本庄市立児玉小学校競進社模範蚕室46244254▲換気のための櫓が特徴的な建物(写真上) 蚕室の室温を温める炉は煉瓦でいかにもこの土地らしい。(写真左下) 競進社を開いた木村九蔵氏(写真右下)〒367-0212 埼玉県本庄市児玉町児玉2514番地27見学時間9:00〜16:30 休場日月曜日(月曜が休日の場合は翌日)年末年始(12月28日〜1月3日)見学料無料アクセス関越自動車道本庄児玉ICから約15分お問い合せ0495-25-1186 本庄市教育委員会事務局…文化財保護課▪競進社模範蚕室

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